2014年頃から書き続けてきた長編第一作目です。本編完結済み、短編は気が向いたら更新しています。
薄暮教室
時は大正。とある片田舎の小さな町で、旅人は一人の若い男に出会う。桜の影をまとい、柔らかな木漏れ日に笑う彼は、子ども達の「先生」であった。翳りゆく季節、僅かずつ、しかし確実に擦り減っていく先生の憂う深い眼差しの先に、旅人は己の終着駅を見定めるのか――
薄暮教室 師範学校青春編
明治四十二年、東京府青南師範学校、謳風寮二◯六號室。咲き初めの桜の頃に少年達は出会った。踏み出す先も見えず、闇雲に伸ばす指の先に触れたのは、同じように彷徨い悩む未熟な手のひら。幼い諍いといまだ遠い未来への憧れを繰り返して、彼らは大人になっていく。いつか楓の頃に、また会おう――それは彼がまだ「先生」になる前のこと。
薄暮教室 帝都教師追憶編
時は明治末。移りゆく街東京の片隅で、一人の教師が若い一歩を踏み出そうとしていた。ようやく手にした遥かな未来図。しかし指し示す道の先はどこにも繋がってはいなかった。迷いも夢も憧れも、全ては無意味だと悟った夜に、彼はいかにして「先生」であることを選び取ったのか―― 儚き追憶と永遠の希望が織りなす物語、ここに完結。
短編
その他短編