薄暮教室
いつも西日の差しているそこは、薄暮教室と呼ばれていた。
スプリング・エフェメラル
令和二年の春休みは突然に始まった。暇を持て余した高校生の一也は、久しく連絡を取っていなかった同級生の汀にメッセージを送る。
《ひさしぶり。今から行ってもいい?》
EOSOPHOBIA
異なる歴史を辿った日本。三度原子爆弾を落とされ、連合国に直接統治された末に迎えた1980年。貧困と格差、諦念と野心が背中合わせに存在する街新宿に、夜を纏って生きる情報屋がいた。
オーディナンスの岸辺
昭和19年7月。中学教師の職を追われ失意に暮れる紫暮一國の再就職先は、身体の弱い子供を流行病から守り健やかに育てるための林間学校だった。絶えず打ち寄せる波音と敬虔な祈りに満ちた最後の楽園のような学校で、紫暮はひとりの教師に出会う。
